シュールな関係
「ねぇ 俺とも乾杯しようよ」
クリーム色のニットにカーキーの落ち着いたパンツ
ラフな格好なのに都会的な華がある
「・・・乾杯する理由なんてないけど?」
あなたと?
NO, THANK YOU !!
さっきから何だか意味深な態度を取って来るし
慣れ慣れし過ぎる男ね。
わたし・・・あなたのこと全然気に入らない。
「癪に障るの、かまわないでくれる?」
可愛げもなく憎たらしい口調で彼を拒絶する。
わたしの脳内信号も関わらな方がいいと赤く点滅しながら警告している。
「俺さ 二人のこと知ってるよ
大和と、奈緒ちゃんのこと全部」
「そっ、」
関心もなく答え、早く飲んでしまおうとグラスを手に取る。
「もちろん 奈緒ちゃんが大和と寝たコトや
大和から金を巻き上げたコトも聞いてる
だから今回で2連勝中だよね?
それに今はセフレ誘われてるよね 受けるの?」
思わず手が止まった。
そうよね・・・
二人で賭け事をするくらいだもの知っていてもおかしくはないか。
わたしの話も酒のツマミにしていたのね
だけどね正直、残念よ大和
悲しいからなのか、怒りからなのか?
どう説明したらいいかわかないけど胸が痛む。
「だから、何さっきから?
わたしに言いたいことがあったらさっさと言えば?」
冷静さを保とうとしつつも声に険の尖りが滲む。
「奈緒ちゃんさ~
噂通りツンツンしてるけど
お金出したら寝てくれるんだろ?
俺も借金返済のための協力しちゃおうかな!
いくら払ったら大和みたいにヤラしてくれる?
好きな金額言ってみて!
俺はアイツより多く出してもいいよ」
その場で凍りつくあたしに悪戯もなくニッコリと聞いてくる