シュールな関係
「おい奈緒っ 待てよ!!」
シリアスな表情をした大和が近寄ろうとしたのを避け、
「近寄らないで!」
傍に来るのを静止する。
「アナタに返したいものがあっただけ
マスターに言づけてます
色々と迷惑をかけてゴメンなさい」
目も合わさず言い切ると、店を出た。
別に大和が誰と何をしようが何を話そうがわたしには関係ない。
ただ今日はお金を返しに来ただけだもの。
それだけ。
これでゲームオーバー
お金を貰った時点で、勝利だと思っていたのに
負けていたのはわたしの方だった。
期待はしていないけど、思った通り大和はわたしを
追いかけてくることもない。
別に大和のことなんて何も感じていない。
だけど一磨って子にあんな言い方をしていたことが
悔しくって――――
今から、バンドールであったことを『バカな女』って
爆笑しながら飲むのだろうか?
何も考えたくないと頭を大きく振る。
だけど・・・
事実だけに虚しくって自分が情けなく
一磨の言葉が頭を駆け巡る。
虚しい気だけが膨らみいつまでも苦しさが消えなかった