シュールな関係
俺と奈緒、そして一磨との関係はゲームの繋がりしかないからだ。
タダでない様子から何を話したかも想像が出来る。
俺とモデルが一緒にいるのを見て、コソリと一磨が奈緒に何か囁くと
奈緒の表情が固くなる。
「奈緒・・・どうしてここに来たんだ?
一磨 お前なにかしたのか!?」
チッ 何だよこれ?
辛そうな顔するなよ奈緒
俺の胸がズキリと痛む。
こんな状況ではなく奈緒に逢いたかった
一磨、お前何処まで奈緒に話して傷つけたんだ?
俺の心の声を読んだかのように
上目で耐えていた涙がゆっくりと奈緒の頬をながれる――――
「おい奈緒っ 待てよ!!」
思わず奈緒を抱きしめようと近寄ると「近寄らないで!」と
思いっきり拒絶を見せ俺の足を止めようとする。
実際に留めたのは俺といたモデルが腕を引き話さなかったからだ。
「大した女でもないでよ
泣いたりして構って欲しいのかしら?
大声出してバカじゃない?」
俺を引き止めた横で高笑いをする。
「いつまで掴んでるんだよ 離せよ」
冷酷に睨みと威圧的な声で女を黙らせ距離を取る。
「あなたに返したいものがあっただけ
マスターに言づけてます
色々と迷惑をかけてごめんなさい」
俺が捕まえようとするのをすり抜け、眼も合わさず、感情を捨てたような冷たい表情で
奈緒は店から消えた。