シュールな関係
「奈緒ちゃんの会社のCEOよね

あら、顔が引きつってるけど大丈夫?」


わたしの今の顔はきっと凄く嫌な顔してると思う。



大きなため息を溢し、頑張りますと、答える。



「桜の間の担当でお願いね ではよろしく」、と笑顔で肩を押された。






一之瀬さんの狸オヤジ


さっき別れたとこなのにまた会うなんてホント憂鬱



でもこれは仕事

だからちゃんと割り切って接客をしないと。


必死に自分に言いこませる。



桜の間は名の通り部屋の窓越しに大きな桜の木がある。


庭園から滝の流れ心地よい音が聞こえ

春でなくても四季の木々が季節により違う顔を見せ


立派な壺に和の掛け軸、ゆったりと落ち着いた12畳の部屋



わたしは息を吸って「失礼します」


ゆっくりとふすまを開けて部屋に入る。






「よっ 奈緒」そこには聞き慣れた声



そして固まるわたし





目に入るのは狸オヤジ 

もとい…会長がいるのは分かる




でも―――――




ど・・・どうして




一之瀬さんが一緒にいるの!?


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