シュールな関係


「社長 食事の件ですが中華の

このコースでよろしいですか?」


「そうだね 詳しいことはお願い出来るかな?」


秘書課と言えど下っ端のわたしが社長室のフロアーに仕事では

めったに立ち寄ることはない。


今回は秘書の仕事でもなく幹事の仕事でもなく、全くのプライベードで来ている。



社長の息子に交際相手、わたしがバイトをする『鈴蘭』の女将

多恵さんを紹介するのに一役買って欲しいと頼まれ 

わたしは社長と二人で打ち合わせをしている。



長年の『鈴蘭』の乗客の社長とは多恵さんを通じて会社にバイトから社員にさせてもらった

恩人の一人。


社長は風格に満ちている会長とはタイプが違いその辺にいそうな誠実で小柄の少しポチャと

優しい感じの人で、山ノ手グループの社長と知った時は驚きが隠せなかった。





「多恵の仕事が休みにあわせて木曜の夜の予約で頼むよ」




「任せてください 

もう既に夜景が綺麗な個室押さえます


社長の息子さんの話は初めてお伺いしますがどんな方ですか?」



「型にはまらない素直で本当にいい子だよ


海外留学も長かったし

事情があってあまり会えないんだ



けど 君にも多恵にも合わせるのが待ち遠しいよ。


来年から息子とは内密に入社させるんだ


大きくなった息子と一緒に働き、酒を飲めるのは幸せなぁ


奈緒くん、よろしく頼むよ」



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