シュールな関係

「遅れてごめんなさい 

あら あなたが大和さん?


椎名さんからお話を聞いてお会いするのを心待ちにしてたの」




シックな着物姿で登場すると、その場の空気が一瞬止まる。


多恵さんグッドタイミング!!



コホン、とワザと咳を落として

「大和さん 

こちらが今日ご紹介したい南野多恵さんです」


状況分かったかしら?大和くん、とわざとらしさを強調させる極上笑顔と、上から目線で説明するわたし。


もちろん大和は思いっきりバツの悪い顔になる。

 
それを見てすごく勝ち誇った気分になる


この爽快感に優越感!!



驚きで顔色が怒りの赤から青ざめる大和の顔を

思いっきり目に焼き付け清々した





そう、精々したはず、だったのに・・・・







「奈緒 なにムクレてんだよ?

しっかり食えよ


俺と一緒に食ってるのに変な顔すると余計にブスになるぞ


なんなら俺が食わせたろうか? 


それとも酒が飲みたいのか?」



あ~~つ  ウザイ

ウザすぎる男だわ!!


「お前、酒強いからなぁ

紹興酒は飲めるか? 次はワインもいいよな」


明らかに機嫌がよく饒舌の大和がわたしの横に座っている。



もうほっといて!!

そして声もかけないで欲しい。




大和が機嫌よくなるのに反して不機嫌になっていくわたし




< 218 / 441 >

この作品をシェア

pagetop