シュールな関係
「遅れてごめんなさい
あら あなたが大和さん?
椎名さんからお話を聞いてお会いするのを心待ちにしてたの」
シックな着物姿で登場すると、その場の空気が一瞬止まる。
多恵さんグッドタイミング!!
コホン、とワザと咳を落として
「大和さん
こちらが今日ご紹介したい南野多恵さんです」
状況分かったかしら?大和くん、とわざとらしさを強調させる極上笑顔と、上から目線で説明するわたし。
もちろん大和は思いっきりバツの悪い顔になる。
それを見てすごく勝ち誇った気分になる
この爽快感に優越感!!
驚きで顔色が怒りの赤から青ざめる大和の顔を
思いっきり目に焼き付け清々した
そう、精々したはず、だったのに・・・・
「奈緒 なにムクレてんだよ?
しっかり食えよ
俺と一緒に食ってるのに変な顔すると余計にブスになるぞ
なんなら俺が食わせたろうか?
それとも酒が飲みたいのか?」
あ~~つ ウザイ
ウザすぎる男だわ!!
「お前、酒強いからなぁ
紹興酒は飲めるか? 次はワインもいいよな」
明らかに機嫌がよく饒舌の大和がわたしの横に座っている。
もうほっといて!!
そして声もかけないで欲しい。
大和が機嫌よくなるのに反して不機嫌になっていくわたし