シュールな関係
多恵さんの登場によりその場が修まり無事に紹介の席が始まった。



そもそもわたしの機嫌が悪くなった経緯は


「奈緒くんは多恵の娘みたいなものだから

私にとっても大切な子でなぁ

だから大和も姉が出来たと思って色々相談にも乗って貰え」


と、社長が言い出したからだ。



「俺一人っ子だし昔から姉ちゃん欲しかったからなぁ

でも姉ちゃんってほどしっかりしてるの こいつ」


「大和がこんなに人見知りがないとはめずらしいな」

奈緒くんは気に入られたよ、と社長も機嫌がいい。



お断りです!と、この場の雰囲気が潰れようと

本音をぶちまけたい衝動を必死に抑える。


寝た者同士なのに今さらそんな関係になれる訳ないでしょ!?


「奈緒ちゃん弟がいるのよ

晴人君は大和さんと同い年だから頼りになるわよ」


一緒に棲んでる弟がいるとバレ、

「ふぅ~ん、弟と暮らしてるのか」と大和の瞳が嫌に輝き余裕の笑みが浮かびだす



そう、わたしにはもう溺愛の弟がいるから大和なんていらないのよ



わたしの不機嫌を楽しんでるよね?


いたずらっ子がターゲットを見つけみたいな含み笑いが気に入らない


大和に言いたいことは沢山あるけれどこの場だけに言えない。


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