シュールな関係
誰もいないエレベーターの密室

反発しようが暴れようが大和は身体はビクともしなく

角度を変えて繰り返されるキスに力が抜けていく



「…あっ… 」


漏れる甘い声に「おまえ感じてるだだろ?」と嬉しそうな大和の深み艶めいた声が鼓膜に届く


心臓が壊れそうなほど暴れている。


大和の上手いキスに、熱い囁きに流されそう…



ダメよダメ

意識をしっかりと持たないと深みに溺れていく

この男のキスにハマりそうとか、ドキドキするのはわたし…絶対おかしい


一生の不覚だけでなく二度目の後悔になっちゃう!



「いでぇっ!」

1階に着くなりヒールの先で思いっきり脛を蹴り上げ


「馬鹿っ」

威嚇しながらスリ抜け、大和は戻れとばかりに最上階を押して飛び降りる。



「けど、また会えるとはお前も驚いただろ?


運命の再会ってあるもんだなぁ


奈緒、『偶然の再会』なら俺のセフレになっていってたよな?


今から一発しにいこーか!」


威張り気味に顎を上げ勝ち誇った言い方でニヤリと口角が上げる。


くぅ~~!

やっぱりそうきたかっ!



エレベーターを開じまいと長い脚で抑える姿は

わたしを引き付けセクシーでカッコよくて目に悪い


「さっさと上にあがったら?」



「お前が素直に俺のこと好きだって言ってみ?



そうしたら多恵さんとこ戻ってやるよ」 


野性的な瞳がわたしを捕えて話さない

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