シュールな関係
「来週のいつですか?

わたし鈴蘭のバイトあるし、週末も仕事あるので行けないかも。」



「じゃ 定休日の木曜にするから空けとけよ」



定休日をわざわざ指定してくれるのね。

無難な断り文句を用意したがブッチ作戦あっけなく大失敗




それならもう『しおらしさ作戦』しかないわね



「一之瀬さん 

会社では大ぴらにするのはやめて内密でお願できませんか?」


「理由は?」

整った顔に不満の色が混じり、不機嫌なオーラが出出来ている。


ウッ…何とか説得しなくっちゃ


「男性には難しいかもしれませんが、

社内恋愛って噂になると女子社会はとても複雑なんですよ


先に周りから仕事で認めて貰いたいんです

わたし仕事も遅いし、よく失敗するので

一之瀬さんとの恋愛にうつつを抜かしてるって言われて

ご迷惑をかけるのもイヤだし、申し訳ないし…」




ここの女子社員はエリートとの寿退社を狙ってるんだから!

そのターゲットの代表は一之瀬さん、あなたですよ


なので理解してもらえません?


眼力をつけて必死に訴える。



「仕方ない、おまえホント仕事できないからなぁ

バレたくないなら俺の言う事は絶対だぞ

だが 、明日から昼付き合えよ」




わたしの説得に納得したのか、

うんうんと、理解したかのように頷きながらも自分の意思は曲げない。


相変わらず自分主義な人だ。



「打ち合わせの時間だ、じゃまた連絡するな」

頭に手をポンと置き資料室を出ていく一之瀬さん。


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