シュールな関係
イヤ 女子力大切だわ

癒し…潤い…余裕を見せて年上として気のきいたことを言い返すわよ


そう考えつつも思考ショート寸前!


「――――――なーんてな」

「はぁ!?

『なん―てな』ってどういうこと!?」


「くくっ奈緒 なんだそのマヌケ面は

あはははっ

何て言い返そうか考えてたろ?

単細胞の頭から煙が吹き出すぞ


その真面目すぎる顔、マジでウケるんだけど?」


壺にハマったように大和がお腹を抱えて笑う。


「ちょっと、それ冗談なら笑えないわ

真剣に聞いてるのにひどくない?


からかうだけならもう帰るけど」


マジで聞いて損した。
ムカついて目の前のカクテルをグッと飲みほす。


「冗談はさておきと、

俺の名前は織田大和 

織田は母方の性だ


昔、俺のお袋と椎名が付き合っててた。

二人とも独身でお袋は貧乏、かたや椎名の家は名門家筋


付き合ってて3年目椎名に見合いの話が来た。

その一年後、椎名は見合い相手と結婚した。


いざこざはよく知らねーけど

椎名家の親がふさわしくない、身を引けと多額の手切れ金を用意した。


その時に俺を身ごもってる事に気付いたが

椎名の重荷になってると散々と言われ続け彼のためにと、お袋は姿を消した。」

好きあっていてもどうにもならなかった格差恋愛の辛い話…

「ねぇ、何でそんな話を聞かせてくれるの?」


人に言いたくないでしょ?


「奈緒とはこれから長い付き合いになるだろ?


あの時もすんげ~興味深々な顔してたろ


聞きたいような、聞いたらいけないような…てな」


図星!! 確かにそうだった。
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