シュールな関係
「俺が中学の時、袋が病気で死ぬ前日に椎名の話を初めて聞いた。

俺の出生の秘密ってやつを。

父を知らず母子家庭で育ってたからな。

けどいきなりお袋が初めて親父の話をしただけなく連絡して

『あなたとの息子、大和を頼む』って言うんだぜ?



俺に最後に言い残したのは『私が勝手に消えたから恨まないで父さんと仲良して』



今さら何だ ふざけるなーって怒鳴りそうになった

いっそのこと墓場まで持って行け、ってマジでそう思ったよ

死に際のお袋には言えなかったけどな。


お袋に手切れ金で見切られた、と色々聞いてたらしく自棄半分で結婚

結婚生活も長くはもたなったらしい。

真実を知り後悔か懺悔か知らねーけど

それ以来、ずっと俺を椎名の籍に入れようとしてる


結婚した時期と出産の時期が重なるから結局俺は愛人の子って言われ続けててる」



だから愛人の子って言われてたのか…


「それに俺の存在を知って以来、今も毎月多額の金振り込んでくれてるのは本当」


やっぱり贅沢はしてるんだ!

カードや諭吉が沢山いたと大和の財布の中を思い出す。


「だからってそのお金を無駄使いするのは良くないんじゃない?」


「椎名のもらった金は一銭も手をつけてねぇよ」


「豪快にしてるじゃないの!」

身に付けている服も装飾品も高価なものばかりだもの


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