シュールな関係
「おい一磨ぁ ちょっと馴れ馴れしくね?
コイツのこと『奈緒ちゃん』と気安く呼ぶな」
いや いや
大和の方が初っ端から呼び捨てで気安すぎるのはあなたでしょ!?
「じゃ、奈緒りん?」
「ブッ! そんな柄じゃないだろ? 俺らより年上だぜ」
「・・・奈緒姉?」と腕を組んで悩む一磨
「姉っていうほど全然色気ねーし!」
「お肌プリプリで可愛いよね~
なかなか決まらないし、さっきと一緒でやっぱ緒ちゃんでいい?
決まんないと『奈緒』って呼ぶよ」
「しゃーねーな じゃ、奈緒ちゃんで許してやる」
勝手に許可しないでくれる?
何だか二人の会話を聞いてるとムカムカするんだけど!?
「二人でボケ、ツッコミみたいな漫才しないでよ!!」
「んじゃ 奈緒ちゃん」
爽やかに笑う顔からはこの前の様な嫌味な全く感じはしない。
「大和、奈緒ちゃんにお得意のカクテルをくくって来てあげたら?」
そうだな、とマスターに頼んでカウンターに入り何やらお酒を選び出す。
「俺さ、大和が奈緒ちゃんのことマジで気に入ってるって思わなかったから、ホントごめんね」
チラリと大和の様子を伺いながら小声で一磨が話し出す。
「マジに気に入ってる? まっさかぁ!」
全く信じない眼で大和を見る。
「あれぇ 大和から何も告白されてないの?」
「セフレの告白のこと、知ってるって自分で言ってたでしょ?」
マジに思われてるのを気付かずに首をかしげるわたし。