シュールな関係
「・・・ちゃん 奈緒ちゃん?
どうしたのぼーっとして大丈夫?」
目の前で一磨の手がヒラヒラとしている。
「えっ!!!!!?」
やばばばばっ
大和に告白される妄想をしちゃったじゃないのぉ!
も~ わたしったら簡単に一磨に踊らされているの~!!
「ゴキブリ退治する!」と愛の欠片もないイミフ発言
「「はぁ? ゴキブリ退治?」」
わたしと一磨の声が重なる 告るんじゃないのか!?
一磨が目を点にする横で、わたしはフリーズ状態
告白される妄想までした自分がとても恥ずかしい・・・
「えっ やだ! 何処にゴキブリいるの?」
今度は違う意味でパニくる。
「違うって、男のゴキブリのことだ
こいつさ、会社の先輩に無理やりフィアンセ役にされて付きまとわれてるんだよ」
「マジ奈緒ちゃん!? 面白そうな話、詳しく教えて!」
むっつりしながらの大和の発言に、一磨の声が弾む。
げげっ この前飲んだ時に確かそんな話…したよね?
わたしもバカみたいに素直に話したような気が…
「どのヤツだよ 写メねーのか?
あれからどうなったんだ、まだ付き合わされてるのか?」
もうバリバリ付合わされてるわよ
脅され、弟まで説得して明日からお昼一緒なのよ、とはえない
「一応、俺は社長の息子だしそれなりに偉そうに出来る立場があるんじゃねぇか?」
「山ノ手グループの社員なの? いいねぇ それならガツーンっと言ってやれ」
恐ろしい会話に首をブルブルと大きく振る。