シュールな関係
「バレる訳ないでしょ、証拠もないのに!

じゃぁ ごゆっくりね ふふふっ」


ドアの奥で笑い声共に小さくなる足音、エレベーターが下がって行く音が響く


マ・・・マジ? これって思いっきり嫌がらせよね!?
こんな仕打ちがあっていいの?


ブラウスに黒のタイトのスカートのみ、今日に限って羽織る物すらないんだけど----

はぁー吐くため息から白い息が出る。

手にあたるわずかな息の暖かさでは到底過ごせそうもなく、震えるくらい寒いんだけど…



はっ/////携帯!

ポケットを探ろうとして、今日はカーデガンがなく鞄の中にしまったことを思いだす。


彼女たちは確信犯なのか!?

脱出ルートは…無いの? 

何かないかと暗闇の中、慣れてきた目で周りを見渡すけれど…

大声を出してもビルの30階からでは声も届きそうもない。

こんな季節に用事もなく屋上に来る人いるはずもなく。手詰まりの状態に頭を抱える。


ドアは一つでここだけで、明りもなく外は暗くて寒い。

ビューって風が吠える12月の冷える夜、

密会のようなことがない限りこんな場所に誰も来ないだろう。


時計を見ればもうすぐ7時

30階の屋上には気温より低く冷たい北風が吹いて体感温度も下がってるはず。


ヒートアイランドと癒しの為に作られた屋上緑化

今の私には全くもって癒しなんて感じないんだけど!?

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