シュールな関係

「何してんだよ 一之瀬!!早く来いよ 飲もうぜ!」

「主役がいないと盛り上がりませんよぉ~」


痺れを切らして周りからも俺を呼ぶ声が聞こえる。

かなり盛り上がっているようだ


「ああ 直ぐ行くよ」

手を上げ そう答えるけどーーー

今は奈緒が傍に居ないことがどうしても納得がいかねぇ



「森山 今日は俺のために一生懸命してくれてありがとうな

でも一本ぐらい煙草吸って来てもいいだろ?」

煙草をチラリと見せてながら、目に甘い微笑みを浮かべ

逸らさずに森山の目を一直線に見つめ、王子スマイルを使う。



「えっ、んも~~~っ ずるですよぉ!


そんな顔して一之瀬さんに頼まれると断れないじゃないですかぁ~

じゃ5分だけですよぉ~

絶対に直ぐに戻って下さいよ」


森山が真っ赤な顔をしてモゴモゴと言う


「サンキュー 直ぐ戻るから」

俺は店の外に出てると携帯取り出し奈緒の携帯に鳴らす


プルルル…プルルル…プルルル


コールは反復するだけで奈緒は電話には出ない。


急いで弟の晴人の携帯に掛ける。


「姉ちゃん帰ってませんよ?

今夜は一之瀬さんの送別会に行くって言ってましたけど何かあったんですが?

俺、姉ちゃんに一之瀬さんの事ちゃんとするようにって言ってるんです

二人が幸せになれる道をちゃんと考えてくださいね


連絡くれたってことは… もしかして突っ走って姉ちゃん何かしましたか?


世間知らずな所がありますがよろしくお願いします。

何か連絡あれば直ぐに折り返します。」


晴人にそう言われ切る。



だからだな、納得だ

アイツが急にキャンキャンと必死に吠えてたのはーーーー。


俺とのことをキッチリとするためだったのか。

そう簡単には逃がすつもりはないがな。



そして次に慣れた番号に電話をする。



「…あぁ そうだ 早急に調べて分かり次第連絡をくれ」

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