シュールな関係
そして見合いを断るのにも当たり前のように奈緒に頼んで、

いつだって俺の横にいさせるのが当たり前だったが…

蓋を開ければこのざまだ。


今、奈緒は俺の横にいない。



始めは本当に奈緒には関わるつもりなんて無かった

関わりたくなく、避けるつもり遠ざけていた。


アイツは…奈緒は似ていたんだ

そっくりだったんだ、彼女に・・・


アイツを見ていると若菜を思い出す。


だから俺は奈緒に関わりたくなかった。



なのに俺はーーーーーー



「一之瀬さぁん 

もう時間ですが、大丈夫ですかぁ?」


こうしている間に5分以上時間が過ぎ、戻らない俺に森山が声を掛けてきた。



「ああ すまなかった」


俺は締めていたネクタイを少し緩め、自分に何か言い聞かすかのように溜息を外に吐き出した。



店に戻りながら空を見上げる


夜空には星一つ見えることなく厚い雲が空を覆っている。




早く来いよ奈緒、もう間もなく…雨が降り出しそうだぞ。



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