シュールな関係
暖色系の落ち着いた色のスポットライト が俺に当たる。
料理と酒とイベントにいっそう賑わいを見せる店内
各テーブルにある赤いキャンドルが揺れムードが高まる。
奥に用意された二人掛けのを見ながら
「じゃ 一人選ぶな」
そこにいる女子の野望的な眼差し、注目を浴びながら
カッターシャツの袖をめり大きく箱の中身を混ぜ一人の名前を故意に選ぶ。
俺が引き当てたのは庶務の河野千佳だ。
「キャー 私?やだどうしよう!!」
大きな声が響くと、手を心臓に当てながら俺のテーブルに近寄る女。
俺の知る範囲ではコイツは俺のファンクラブの会長をしている。
だからと言って仕事以外に特別な付き合いもない。
河野は容姿はそんなに悪いことはないが
いつも色目を使い、必要以上にボティタッチをしてくる…俺の嫌いなタイプだ
今も横で色気の混じった熱い眼差しで『やだ、緊張しちゃう 何を話そうかしら!』と体を揺らしている。
そのオーバーリアクションみてるだけで不快感がたまる。
別に俺に害を与えないなら何をしようと気にしねぇ。
害を与えてないならな。
関係ないし、興味すらないが…
今日はそういう訳にはいきそうもない。
お前が奈緒に手を出したんだよな?
安っぽい香水に、胡散臭い態度を見てると吐き気がする。
アイツに何かしていたら、全力で潰してやるからな。