シュールな関係
「河野は俺の願いごとを一つ聞いてくれるのか?」
「一つと言わず 一野さんの願いながら何個でも聞きます」
「じゃあ、まず一つだ
俺のファンクラブを今すぐに解散してくれ
正直、ストーカーまがいな事をされるのはウンザリだ
今さ お前がうっとうしくて仕方ないんだけど? 」
さっきとは違い、微笑みながら
話す俺の目は笑っていない。
俺は基本、女はすぐに嘘をつきで簡単に裏切るものと思っている
こいつも同類だ
「俺の言ってる意味、分かるだろうな?」
苛立ちで俺の声が低くなる
「ち・・・違いますっ!! 」
ビクッと河野の肩が大さく震える
「ストーカみたいなことする訳ないじゃないですか!」
驚きの顔でさっきとは違って顔がまた一段と赤くなる。
「じゃ これ何だ?」
俺は携帯を取り出し肩を抱き寄せ、わざと河野を
包んでいるような形で写真を見せる。
周りからは親密ムードに見えて冷やかしの野次が飛んでいる状態だ
「これを どこで―――」
河野の言葉が詰まり青ざめている。
その写真はいかにも盗撮的なで
俺の仕事姿や仕事後の社外のプライベート
時間、場所、雰囲気、感想までもがこと細かく書かれ奈緒との写真までもが嫌ほど写っていた。