シュールな関係
「はっ お前バカか?
小心者がふざけてるんな 声震えてるぞ
誰に、ってまだ寝ぼけたこと俺にほざくつもりか?
今、神崎に手を出してるだろ…って聞いてるの!」
「神崎さんの事なんてな・・・何も知りません」
今にも泣きだしそうに俯き出す。
ヤバくなると女ときたら直ぐに泣き出す。
それで済むと思ってるかよ?
コイツも最低な部類だな
女の涙を見せたらそれで逃げれると思ってるのか?
今まではどうか知らないが俺には通用しねぇ
逃げるつもりならどん底まで追い詰めてやろうじゃないか。
「俺を本気で怒らせたいのか?
最後にもう一度聞く。
神崎は何処だ、あいつに何をした?」
俺の苛立つ声と目の奥の鋭い睨みがじわじわと河野を追い詰める。
「もうヤバいと思ってるんだろ? お前の手震えてるし」
「・・・・・・・・」
俺の言葉に反応するかのように俯いて震える手を抑えだす。
河野の顔は今にも倒れそうほど真っ青になっている。
何も答えず次は黙秘か?
「言い訳のつぎは、何ダンマリになってるんだよ
ふざけるんじゃねぇぞ」
俺は追い打ちをかけながら
残酷に切り込むような笑顔でやさしく髪をなででやる。
キスをするかのように顔を寄せ、目の前の河野を食いちぎる肉食獣の瞳で追い詰める。
俺はあくまでも甘い声で河野の耳元に囁く・・・