シュールな関係

「はい 

お年寄りに借りられた分は慰謝料として 

すべて倍返しにされています」


ばっ、倍返しって!?


お年寄りには約1500万ってことは

倍になると

3000万支払った…ってこと?

そして金融会社には1000万


トータル4000万のお金が動いている。


普通、喜ぶのかもしれないけど、

全くの正反対で座っていながらも体が重く

沈んで…息苦しくなっていく気がする。


嘘で始まったフィアンセ

一つの嘘が膨らんで、ここまで大きくなってきたら

自分で収集不可能になってくる。


それに2500万の借金が4000万に

膨れ上がったと思うのはわたしだけだろうか?




「山本さん!!

直ぐに、直ぐに会長にお会いしたいので

連絡を取って頂けませんか!?

それと、一之瀬さんにも戻って来てもらえませんか?」

カーと体温が上がるように熱くなり

手をバタバタとして、必至モード全開にしゃべる。



「会長は夕方まで視察や会議で

現在は地方におりますが、

今日の夕方のパーティにはお見えになられます


それが終わられますと、暫く海外視察に出られますので

お会いされるのでしたら今日がよろしいかと」


手帳を閉じながら山本さんが『今日』と言う。



ぐはぁ…

『今日がよろしいかと』って、今日しかないってことでしょ?

仕組まれたかのような絶妙なタイミング!!



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