シュールな関係
「では時間がないので簡単に説明いたします
ご挨拶する時は優雅に美しく
そして口元は微笑でいるかの様に
常に口角を上げていてください
慣れないドレスやヒールでも俯いたり
辛い顔をしない様にお気を付け下さい
会話は表情の他
言葉のトーンにジェスチャー…
適度なメリハリをお付け下さい
ゲストは主に自慢話をされる方が多いと
思われます。
否定的な表現は慎み
相手の目を見てあいづちをして
『ちゃんと聞いています』
という安心感を与えてください
オウム返しのように
「素敵でしょ」と言われたら
「素敵ですね」繰り返すのも
共感した意思表示になりますので好感をもたれます
相手を見ない・よそ見をしない
話の途中で口をはさまない
否定はご法度ですのでお気を付け下さいませ」
ひょえっ~~
基本的な事かもしれないけど
わたしにはハードルが高すぎるよ~!!
「手短ですが…
お分かり頂けたでしょうか?」
山本がメガネをクイッと上にあげながら私を伺う。
「これか…簡単な説明のレベルですか?」
「なんて顔してるのですが!
それでも山ノ手グループの秘書ですか!?」
表情はストイックで教育者の顔だ。
ひぇぇ~~~っ 怖い
恐るべし秘書山本だ
でも言いかえればこれほど頼れる
助っ人はいないって事よね
うん。山本さんの言い伝えは守らなければ…