シュールな関係
秘書課でも下っ端のわたしは

まだ書類の制作やスケジュール管理で

重役の秘書に付いてなく

こんなパーティーははじめてて



いきなりゲストデビューで

煌びやかな世界に圧倒される。



一之瀬さんはタキシードを完璧に着こなし

容姿共に今日来ているモデル以上に輝いている。


この上流社会の雰囲気に

上品で綺麗な顔つきが一層映えて

女性たちがウットリと息を吐きながら

「一之瀬グループの御曹司がお見えよ」と

熱い眼差しで見つめている。



「一之瀬さん

やっぱりわたし外にいて会長を待っててもいいですか?」

「どうしたんだ?」

「自信を無くしました」


「何でまた急に?

それなりに見える格好してるから

自信持てよ……なっ?」


それなり…? 


そうよ… 

それなりに見えるのよ!!


このダイヤのネックレスにピアス


幾らと…思ってるのよ

このズッシリとくる重み!!



わたしは今、数億円の女よ!!

って、それは装飾品凄くって…


だけど…やっぱり気になる。


「一之瀬さん

わたし少しはいけてるってコトですよね!?


ダイヤで…?

装飾品やドレスに着られてる感じですか?

ハッキリ教えてください!!


一之瀬さんの傍にいてもいいか
今のわたしには自覚が必要ですので!!


それなりに…って言いましたよね?

それなりって、どれくらいのレベルですか!!?


天女降臨レベル?

うっとり見つめてしまうレベル?

衣装で綺麗に見える、雰囲気美人レベルなの?


それとも…いつもより

チョットだけいけてるレベルですか?


この中から選んで下さいっ!!」


自分ではちょっとイケてる気分になってたけど

冷静になってみると急に不安が増してきた。


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