シュールな関係
一之瀬さんがハイテンションの大和と
バツが悪そうにしているわたしを
不思議そうに見る
「ああ 奈緒の事はよく知ってるよ
雅兄の同伴って…まさか…?」
チラリと大和がわたしを見る
お願いだから大和…余計な事を言うんじゃないわよ
気まずさのあまり大和の目をそらす。
「ああ、大和が『美人』や『綺麗』と
大絶賛してくれてる奈緒が俺の同伴者」
一之瀬さんも詳しいこと言わないでよ、と
心の中で手を握り締めて祈る。
大和との出会いや、一之瀬さんとの
関係も知られたくない
今はこれ以上聞かないで~!
そしてこれ以上何も話さないで欲しい!!
強く願うも誰もわたしの空気に…
心の叫びに気付かずに話は進む―――と落胆しかけた時
「あれあれ、雅兄も来てるの?」
聞き覚えのある声が聞こえる
「そして一緒にいてるのはもしかして奈緒ちゃん!?」
「一磨くんも来てたの!?」
納得だ。
そう言えば彼の父は銀行の頭取りで
母は有名デザイナーって言ってたことを思いだす。