シュールな関係
「まわりの男の熱い視線も感じるだろ?」
俺もそのうちの一人と、自分を指さしながら話す
「まわりの熱い視線?
それはビッチな女と思われてるってこと?」
「んな訳ねーだろ、相変わらず笑かすこと言うな」
吹き出しながら目じりを押さえる。
「それに
もし何かされたら俺がガツン
と言ってやるからさ
奈緒はいつもみたいにバカなコトをてろよな」
裏表のない屈託ない笑顔で
さり気なくわたしがの事を気にして
くれてる大和のやさしい気遣いが心にダイレクトに伝わる
「ねえ…
今もわたしのことを
綺麗って、言ったよね!?
それって…本心よね?
も~大和だけなのよ
誰も言ってくれないし…
本当に不安だったのよ~」
「ええ!?
お前が喰いつくのはそこかよ?
ったく、女心は複雑だなぁ」
「複雑なのはこの訳の分からないセレブリティの世界よ」
少し苦笑いをしながら
大和が…安堵の表情に変わる。
「会長を待ってるんだろ?
またトラブル発生か?」
「毎回ながら一之瀬親子に振り回されてるのよ」
「雅兄の親父まだ来そうもないんだろ?
奈緒 腹減らねぇ?
今日は昼抜きだったじゃら腹ペコペコなんだよ
旨そうなの沢山あるし何か食おうぜ?」
確かに!
周りからは、生演奏と共に
いいニオイが一緒に流れてくる
もう8時ぐらいよね?
わたしもお腹も空いてきた
「そうよね せっかくだもの
ご馳走を頂きましょうか!」
ここは意気投合をする。
「では 奈緒さま
俺がエスコートさせて頂きます」
わたしをリードしながら
冗談交じりに笑い腕に手を回させる。
「では、大和さま
宜しくお願いしますわ」
わたしも微笑み
腕組みをしながら歩く
一歩ずつイバラの道に入るとは気付かずに…