シュールな関係
「瑠璃はあそこで
楽しそうに友人と喋っておる」
指さす奥に
真っ赤なのマーメードドレスで
大粒のパールのネックレスをまとった瑠璃がいる
さっきからチラチラと見ているのに気づいていた。
「それと
今日一緒に来ているお嬢さん…
神崎 奈緒さん綺麗な方じゃないか
ワシから
『宜しく』と伝えてくれたまえ」
意味ありげな言い方をして含み笑いをする。
俺は軽く頭を下げて藤堂から離れた
何が宜しく、だ
名前も知ってると言う事は色々調べてるはずだ
奈緒のことを『フィアンセ』と口に出したのはまずかったか?
山本がこっちを一瞬見たのも
俺と同じ考えをしたからだろう
大富豪の一人 藤堂博文
各主要都市に本社を持つ財閥
ファイナンシャルグループ
銀行・不動産・保険
金融機関に強い財閥は
山ノ手グループの日本だけでなく
世界に通用する車 企業
ホテルやリゾート施設の拡大の
パートナーとして
藤堂財閥は申し分のない相手だとは
それぐらい俺もよく分かっている。
父はエンジニアからスタートし
ここまで乗り上げた実力者だ。
そして俺はその血を引く後継者。
上に行くなら
勿論、俺も頂上を目指したい