シュールな関係



ここに来る前に山本に指導されたな?


急に山本の視線を気に出し

『ニッっと…笑顔ね』だとか横で

ブツブツ呟き口角を上げだす




本当にこいつって単純バカだ 



くくっ マジで面白い奴




「なに笑ってるのよ?


私のことバカにした視線を感じるのだけど

あなたも同罪なんだからね!」


おしいっ!

バカ…というより単純バカだな



「お前が… 急に山本の目を

気にしだすからだろ?

俺はカンケーないからいいけどな」



「山本さんは私の師匠なんだから!!」


師匠!?



いつの間に

師弟関係を結んでるんだ?



おそらくコイツの思い上がりで山本すら知らない間に


師匠にされてるんだろう。




「そのマスター山本、じゃ…なかった


山本師匠に何を教わったんだよ?」


「パーティの極意を…!!」


極意?


神妙な顔してるけど…その極意って何だ?



「話し方とか接し方とか態度」


「―----それって…
 


基本…だろ?




喰い方は?」




「ううん 



そこは全くもって触れず」




「くくっ

飲んで喰いまくりだったからな


山本は甘かったな!



お前には

そこが一番必要だったわけだ」





「でも大丈夫


今の山本さんの視線で

食事マナーの極意伝わりました」



山元を見て一人で勝手に了承し納得した顔になる

もう喰わねぇ、ってことだな?




「お上品に小盛りですねっ?



じゃぁ 大和 


今度は中華ゾーンに行ってくるね!」



おい、まだ食うのかよっ!?



「子盛りって――――



お前の視点ズレてるぞ」





山本

お前が凄い男ってことはよく知っているが




今、 奈緒には全然…伝わってないな。




この調子じゃ山本も苦労するよ…



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