シュールな関係
「僕は日浦健二 よろしく」
人好きのする破壊力のある笑顔で手を右手を差し出された。
「か、神崎奈緒です 始めまして」
「僕の事知ってる?」
「ええ、有名な俳優さんですから」
ゆっくりと出した手を握り
ジッと見つめられると瞳に吸い込まれてしまいそうで、
思わず芸能人オーラに動揺してしてしまう。
「光栄だな
君は女優の卵なのかな?
凄く綺麗だから。
君みたいな子と逢ってたら俺の瞳が忘れるはずがない」
恥ずかしい台詞をサラリと言われ
それがまた彼が俳優だけあってカッコ良すぎて
「いえその ぁ…あの…」
慣れないあたしはどうこたえていいかわらなくて
体内の血液が一瞬にして沸騰してくる
彼が指を『パチン』と鳴らすと近くにいたウエイターが
ワインを持ってくる
「僕たちの記念すべき出逢いに乾杯しよう」
彼が満面の微笑みでワインを渡してくる。
受け取ってもいいのかなぁ
でも断るのも失礼だし、大和も他の人と一緒だし…
「では一杯だけ」
グラスに口を付けると「今夜はどんな高級なシャンパンより君に酔ってしまいそうだ」
甘い口調で日浦健二が耳元で囁いてくる。