シュールな関係
「フラ付いた奈緒を支えてくれたのは感謝する

だが、こいつは俺の女だから

手を出さないでくれね、って言ってるの」


なっ… 何をいいだすのっ!!


誰が大和の女なのよ!!

話が大きくなってない?


「そんなんじゃないのよ

日浦健二さんに助けてもらっただけなのよ」


「お礼は言っただろ?

けど、それ以上に話す必要はない


そういうことだから

こいつにお前からのワインは要らないから。


世話掛けたな」




「そんなに強引だと嫌わるよ

では奈緒さん、また後程」


さすが俳優

大和の無礼さもはねつけるように

自信たっぷりの余裕の秀麗な笑みを浮かべた



わたしが受け取ったワインを大和が近くのウエイターに返すと


わたしの腕を引っ張り歩き出す。

まだ大和の顔は怖いままだ。


「奈緒 

ここでは褒め言葉やお世辞が飛び交いやすい場だ

お前には社交辞令すら通じねーのか?


その姿を見てどこかの金持ちの令嬢や

金づると思われてるんだ

愛想振りまいてへつらい

スキあらば利用しようと近寄ってるんだぞ


そんなことも分からずに相手が芸能人だからって

調子に乗って自惚れてたら赤っ恥書くぞ!!」


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