シュールな関係

「あなた名前は?」

鋭い目つきで一人のお嬢様が声をかけてくる


「神崎奈緒です」


「雅也様と御一緒にお見えになられたから見てたけど

平凡じゃないの」


「先ほどまで大和様ともご一緒されてましたわよね」


「いい御身分ですこと

俳優の日高様とも抱きつかれておりましたもの」



「見境のない野良猫が紛れ込んだのかしら…


ホントはしたないですわ」



あれは確かに恥ずかしい所を見られたけど、

行動すべてを見られていたようで

凄く嫌な気分だ



「男あさりに、恥さらしに来られたのなら

いつお帰りになってもよろしくてよ!!」

この場に要らないと、吐き捨てるようにいう。




「そうそう、お伺いしたい事がありますの

雅也様と大和様との御関係を教えていたけないかしら?」


それぞれにトゲが刺さるような激しい口調…

馬鹿にし、卑下した目つきに

男性絡みのお嬢様のすざましさにゾッとする。



「腹立ですけれど、さっき一磨さまが

『彼女は特別だ』って言っておられましたわ。」

ダンスを踊った時に聞いたと誰かが話す。


も~ 一磨、最悪!!

とことん爆弾を仕掛けてくれるよね?



一瞬にして氷がピシっと切れ込むように空気が冷え込む

今の私って
意地悪な姉に囲まれているシンデレラの気分だわっ。




王子様の取り合い?

どの世界でも恐ろしいわね。





一之瀬さんとはフィアンセ役で

椎名大和とは一度寝た関係…

なんて口が裂けても言えない!!



まして変なコトを言ってこれ以上迷惑をかけることも

いかないわっ…


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