シュールな関係
「瑠璃様… 



わたくし小耳に挟みましたけれど


若菜さまは移植後に


拒否反応を起こされて亡くなられたと

お聞きいたしましてよ」



えっ  

一之瀬さんの恋人が亡くなっている?

それもわたしにそっくりだと言う彼女か?


「あら 

じゃ、なおさらあなたは若菜さまの代理ですわね


ホホホッ  愉快ですこと!


では…もうお分かりでしょう?



雅也様から手を引いて頂けますかしら?」


雅也様を返してと、低く冷たい声で威嚇する。




「あなたの指図は受けません


どうするかは彼が決める事ですから」



「あなた、偉そうな態度ですわ!

自分を何様と思ってらっしゃるの?



わたくしが下級層の人間から

偉そうに言われるなんて許せないですわ!!」



「別にあなたに許してもらおうとも思わないわよ」



耐えていたが理不尽に当たられて我慢も限界になる。

「あら、そうかしら?」



「ええ、もう失礼します」



「そう言えば…

あなたの弟の晴人くんは医大生ですわよね」



意味深な台詞に踵を返した動きが止まる。


「私のことを調べて

今度は晴人にまで手を出す気なの?」



「わたくし理事や学院長はもちろんながら

彼の担当の教授ともお知合いなの


あなた様の弟君の単位を落とすなり…不祥事を作ることは容易くてよ」





「瑠璃様 やめて下さい


晴人に手だししたらぜったいに許さない!!」



最低な女


金と権力で操るつもりなのね…


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