シュールな関係
「結局、会長に逢えなかったなぁ
わたし一体何しに行ったんだろう…?」
溜息がこぼれる。
ほんの数日前は女子社員に屋上に監禁されて
ずぶ濡れになったと思ったら
今度はお嬢様に髪を切らされて、ドレスを着られて、土下座をさされた…
不幸や幸福は平等に訪れるって誰か言ってたけど
何処が平等よ。
わたしは断然不幸が多いよ。
誰か凄いパワーでわたしの幸せを吸いとっているのかなぁ…
弱気な気持ちでいると気分が沈んでいる。
一之瀬さんはどうして若菜さんの話しをしてくれなかったのだろう…
大和すら知っているのに…
若菜さんて、そんなにわたしに似ていたのかな?
亡くなったって言ってたけど
それでわたしを選んだってことなんだ
ほんと身代わりって言われても反論できないよね。
それならもっとちゃんと話してくれてたら良かったのに…
遠まわしに知る方が気分が悪いのに…
大和もどうして話してくれないのかな?
またわたしの事からかって楽しんでたのかなぁ
どうせ何も知らずにいるわたしを一磨と一緒に楽しんだんだろう。
『ここでは褒め言葉やお世辞が飛び交いやすい場だ
お前には社交辞令すら通じねーのか?』って
綺麗だって褒めてたと思ったら怒ったりしたり
もう分からない。