シュールな関係

「奈緒…ちゃんと聞いてくれ。


俺はお前の事を一人の女として好きだ

あの時は本当にすまなかった

だが今は決して遊びじゃねぇ


俺を信じてくれないか?


今度こそ絶対にお前を守るし、失望はさせない」


真っ直ぐでその真摯な態度からは、大和が真剣だと言うことは感じられる。

けど・・・

一緒にいることは出来ない。



「もう今日はなんて最低なのかしら。


いい加減にしてくれる?


わたしが大和を好きになると思う?


1回寝ただけなのに割り切れない男って最悪ね



本当はこうして一緒にいるのも嫌なの 分からない?


さっき、一之瀬さんの事が好きかって聞いたよね?


そうかもって、言っておくわ。


これでわたしの気持ちは分かったよね?




もう近いから歩いて帰る


さようなら」


自分の気持ちを嘘で固め、さらに大和を大きく傷付けた。

彼の傷を知っているのに…。


ごめんなさい。

本当にごめんなさい。


でもこれでわたしの事は忘れ

彼の進むべき道に戻れる。



気持ちを引きちぎるかのように心から切り離し、

感情のない顔で伝えると

振り向かずに車から降りた。



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