シュールな関係
『姉ちゃんなら数日 帰ってこないよ』とも言えず

『大丈夫だから帰って下さい』とも言えないから

苦渋の上アパートに入ってもらったんだ。




そして帰る当てのない姉ちゃんを

何故か飲みながら二人で待ってる。


家の中は凄い空気が重くて寒いんだ

どんなけ存在感のある空気か、ってくらい張り詰めてんだぞ


なっ、分かるだろ?

これほど気まずい事ないだろ?




そして、とうとう酔いつぶれてしまった一之瀬さんは

そのまま帰らずに姉ちゃんのベッドで寝てしまう始末だ。




俺は起きてから姉ちゃんが

酔った時に食べるお粥に梅干しを用意し、濃いコーヒーを用意しているんだ

一之瀬さんの為に。



今日は日曜日

会社は休みだからこの人はずっと此処にいるつもりだろうか?



普段はカッコよく一分の隙も見せない一之瀬さんが

ガックリと項垂れ「俺のせいだ、許してくれ」って何度も俺に頭を下げる姿は

見るに堪えなく訳が分からないだけに俺だって戸惑ってんだ。



このままだと姉ちゃんが帰って来るまで一之瀬さんは

ここに留まりそうだ!!



姉ちゃんっ

早くスイスから帰って来てくれ!!
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