シュールな関係
「瑠璃様はどうなりましたか?
彼女がお見合いの相手だとお聞きしたのですが…」
「今夜でキッパリと瑠璃様の件は白紙になりました
今日の事もありましたしプライドの高い方ですので
暫くは海外にでも行かれるのではないでしょうか?」
よかった・・・
これで一之瀬さんも自由になれるんだ
とホッとしたと同時に少し心が軽くなる。
「藤堂様にも裏での政治家との黒い付き合いの
表ざたに出来ない証拠をチラつかせましたので
今後は奈緒さまにも晴人様にも
手出しをすることはないかと思います」
この人…何者なの!?
「山本さん…
まるで弁護士のようですね」
「私は弁護士の資も持って おりますので
相手を少し脅す―――、コホン
いえ交渉するのは容易いことです
奈緒さまも何かあれば私に何なりとお申し付け下さい」
一之瀬さんだけでなくこの裏方である絶大なる
山本さんの威力が凄いんだ。
さすが~と、尊敬の目で見る
「ところで、あちらでずっと雅也さまがお待ちですが・・・」
山本さんが指さす先にはわたしの棲むアパートの階段で
そこにはぼんやりと空を見ながら
静かに煙草を吸っている一之瀬さんの姿がある。
合わせる顔がない どうしょう・・・