シュールな関係
≪ガキども何してる? 

その女はバカでもオレは騙せないぞ!!≫



彼らの傍に近寄った黒い帽子をかぶった男性が

立ち去ろうとする少年の手をいきなり掴み吊り上げだした。



≪いてぇっつ!!

ヤメロ!離せ!! 

何するんだっ  っつー!!≫


ギリギリと占めつけ容赦なく捻ってる男に

一緒にいる子供らが見るうちに青ざめ、

天使の少女のチェルはまた泣き出している。




≪腕折られたくなかったら

取った物をさっさと出せ!!≫



≪イテテテ… 分かったッ 

分かったから離せってばっ≫



ジタバタしながら男の子たちが

鞄のから財布とパスポートをほり出す。


≪これだけか…?≫


≪ホラ…俺のカバンの中

もう空っぽだろ?≫


手を振うと人ごみに紛れるように必死に走り去るのを

意味が分からず

その落としたものに目を向けるてさらに驚いた。


「どうして!?

わたしの財布にパスポートじゃない!!?」


ショックーーー!!

あのエンジェルちゃんたちは

よく聞く子供窃盗団だったの?



「ダッセーな

子供のスリ集団につかまってんじゃねぇーよ」




「すみません

本当にありがとうございます…って


あれっ、日本語!?」



聞き覚えのある声で、口の悪い喋り方

振り返る男性に幻をみたのではと、

思わず自分の目を疑った。

< 424 / 441 >

この作品をシェア

pagetop