シュールな関係
ぐぐっ・・・

スリの件は確かに失態を演じてしまい…

まなもや返す言葉もない


とりあえずあの電話の効果は抜群だったようで

何も知らない一之瀬さんはスイスに来たわけで

山本さんに若菜さんと逢わせるのに内緒で動いいるはず。




「そんじゃ、今度は俺と出かけるぞ


車借りて来たし山本にも伝えてきたしなっ」


「でも、一之瀬さんがーーー…」



「雅兄は夕方に若菜さんと会うんだろ?


お前がいたからってどうにもなんねーし


あとは二人で話し合うだけだしなるようになるんだから

もうこれ以上は余計な事を考えるな


いいな?」


深く念押しする様にわたしに言い聞かると

車に乗り込ませた。


「それに俺もおまえに言いたいことや

聞きそびれてる事もあるかな


せっかくスイスに来たんだ

車もあることだしドライブに出かけるぞ!」


そういうと嬉しそうにとシートベルトを付けた。



ラジオからはのどかなカントリー調の曲が緩やかに流れ

わたしをゆったりとした気持ちにさせる。


だけど何を話していいか分からない。

それに何か話があるって言ってた大和は

機嫌こそは悪くないが黙って運転しているしそのまま

わたしも何も言わずに流れる景色を眺めていた。


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