シュールな関係


「どうだ?」


目をゆっくりと開け、足元をみると…



「えっ、これはガラスの靴・・・なの?」

足にはキラキラと四方八方に光を反射をして

輝く透明のガラスの靴に履き変わっている


「そう、奈緒は俺の姫だからな

俺の見立て通りサイズもピッタリだ!」


かなり自慢げに頷く顔は本当に嬉しそうで

何かを企んでるとか、意地悪気にからかってる様子も

疑うような雰囲気は微塵も感じられない。


だけどお姫さまって…

わたしが大和の姫ってこと?



「うん、ピッタリだけど… 歩けるの?」


「実用性にはかけるがちゃんとあるけるぞ」


ガラスの靴は

太陽とガラスが重なって足を華やかに輝かせている




「凄く綺麗だけど…」

何故なの?

綺麗だけど、どうしてなのかと驚きの方が大きく


靴からゆっくりと目を離して大和の顔を見つめる。



「大和――― 怒ってる…の?」


「怒ってるよ 俺を振り回す奈緒が!


それに、やっぱり・・・嬉しくないかぁ

その役は雅兄の方がいいって言いたいんだよな?


だがそれを承知で俺は奈緒を探しにここまで追いかけて来た。


言っただろ?


お前が何と言おうと誰を好きだろうが

周りを敵にしたって終わりにしねぇって!




奈緒、俺の目を見ろ」


冗談一つ通じないような顔をするから

はぐらかすことも、これ以上嘘を吐くことすら出来ない。



大和の綺麗な瞳は光で琥珀に輝き一直線にわたしを見つめる



「信じても…いいの…?


大和のこと――――本当に…本当に



――――――――好きになってもいいの?」



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