シュールな関係


いや、いや、いや


なんで一之瀬さんが

不機嫌になるのよ



おかしくない?



無茶苦茶言ってるの

あなただってこと分かってます?



わたしの思考レベルは

あなたと一緒じゃないよ~~!




「一之瀬さん・・・

わたし仕事の途中なので失礼します」



一体なにを

考えてるのだろう…




仕事ならまだしも

お見合いを断るための

カモフラージュでしょ?



プライベートまで

面倒なことはお断りよ



次に行く予定のシステム部の

書類を持ち立ち上がろうとする

わたしの椅子を


ガツンっと


長い足で塞がれてしまい

動くに動けない・・・



「――――お断り…します」


「無理 ・・・座れ」


「戻っていいですか?」



「おい  黙れ!


反抗的な態度を取るなら、その生意気な口縫い付けようか」


ひぃぃぃ~~



あたしの道を塞き止める長い足…


その獲物を逃がさない猛禽類のような鋭い目つき…


溶岩の煮える地底に引きずり込むような冷酷な口調



すべてが怖~いっ!!






「よく考えてみろ

俺がお前に頼みごとしたこと

あるか?」




んっ!?


それって頼みごと!?



一ノ瀬さんに頼みごとを

されたか考える。



この人は頼むどころか

いつも『絶対命令』だ。



断れない雰囲気をプンプン

匂わせて有無を言わさず

何でも強引に

押し付けられたことしか

浮かばない。





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