シュールな関係
「ねぇ 奈緒先輩
もしかしてぇ 一之瀬さん
狙ってますぅ?」
潤んだ瞳で一途にわたしを見つめる留美
「…狙うって一之瀬さん?
まさかっ~!」
思わず声を上げる
「よかったぁ~~~~!!
一之瀬さん人気あるし
奈緒先輩と仲いいでしょ
すごく心配してましたぁ~」
留美が肩まである巻髪を
クリクリと指でからめながら
顔を赤らめてこっそり
とわたしに聞いてくるので
「ないないない」
とわざとらしく大きく首を振るわたし。
一之瀬さんに
特別扱いされてるとか
仲いいって言わるけど
秘書課に異動になるまで営業で
一之瀬さんの下で働いてたから
親しいと聞かれれば確かに
親しいかもしれないけど・・・
彼はスパルタで超厳しかったのよ
わたしなんかいつも使い走りされ…
ミスすれば怒鳴りつけられ…
仕事が終われば飲みに連れ回され
男性同様に手加減されなかった。
だから一之瀬さんに
女子扱いされたかしら…って
考えると疑問符が頭の中を
大きく駆け巡るのよ。