シュールな関係
「わたしは絶対こっちがいいです」
「俺はこれだなぁ
なかなか決まらねえ…
よしこれ全部にするか…」
ちょ・・・ちょっと
ここの服すごぉ~く高いですよ?
服を買ってくれるって
言ってたけど
ワンピース1着だけでも
軽く給料の1カ月以上の値段
しますって!!
凄く素敵で気に入ったから
試着室で見て
びっくりプライスに
ぶっ飛んだんだから・・・
「一之瀬さん・・・
値段見てます?」
硬直してこわごわと尋ねる…
「見てないよ
お前は心配するな」
馬鹿にしてるのか?と睨みつけられ
いや、いや
しっかり値段見て下さいって
びっくりプライスを!!
「でも・・・」
「おまえ
田舎者みたいにオロオロすんな」
「でも・・・」
わたしのカードなら
限度額オーバーになるくらいの
額に思わず顔が引きつってしまう。
それにこんないい服
買ってもらっても勿体なくて
着れないよ~
そう思ってしまうわたしって
なんて貧乏人だろう・・・
「だから何だよ?
まだ買いたらないか?」
恐れ多くてブルブルと
首を横に振る。
だから・・・
そんな簡単に買える値段じゃ
ないんだから!!
『恥をかくのは旦那ですぜ』
時代劇に出てきそうな言葉を
投げつけたくなる。