シュールな関係

「は、はい そうですが」

恐る恐る答えなおす。


「 ご案内いたします こちらにどうぞ」


とリムジンに案内される。




な・・・なに?


このシチュエーションは!?



ありえない! ありえない!!



乗る前にちゃんと確認しないと!



「すみません、間違ってませんか?

わたしは一之瀬さんって方と待ち合わせしています」



「はい 一之瀬坊ちゃまからの依頼です」


「あの… 一之瀬さまって

一之瀬雅也さんですか?」


もしやお名前のお間違えでは?


「はい  

雅也坊ちゃまでございます」


ガーーーン 


ハンマー並みのショックが

頭を直撃し目まいが走る。



「雅也坊ちゃま!?」


淡々と冷静に答えられ

恐れ多くこれ以上質問も出来ない。




そのやり取りの間にも野次馬が

写メや動画を撮りだした。


カシャ カシャ


『きゃーーーっつ!!

やめてぇ~ 写さないでぇ!!


わたしは庶民なのぉ~

一般庶民なのよォ~~』


パパラッチ襲撃気分で

心の中で大絶叫のわたし!




「では神崎様

お乗りくださいませ」


執事が優雅な仕草で後部ドアを開ける。



「か・・かたじけない」

時代劇好きのわたし


緊張のあまりにも場違いな

言葉が飛び出す。

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