シュールな関係
「///////////!!」
無表情の運転手の眉が
ピクリと動いた。
うわっ~~~
恥ずかしっ!!
「し、失礼します」
何もなかった顔付で
晴人が買ってきてくれた
幻の羊羹の持ち手を
ギュッと握りしめて車に乗った。
わたしは自家用車も持ってない。
ママチャリが一台だけある。
なのに…
今乗っている車は
後部だけでも
10人位乗れる広さがあって
テレビに 冷蔵庫 ミニバー
ゴージャスなソファー…
それもマッサージ機能付き
備え付けの電話になんだか
分からないハイテク機器が
いっぱいあって機械音痴のわたし
触れるのすら恐ろしい。
シャンデリア式のライトが上品に輝き
現実離れした空間に圧倒され車の一番隅っこに座った。
窓から見える景色はいつもと同じなのに
不安の心境で、スモークからの外の世界はただ薄暗い。
『はると 助けてっ!!
姉は心細いよぉ~~ 』
羊羹の紙袋をさらにキツく
握りしめた。