《完》闇を抱えた天才少女
日本で
私は今、社長室の前にいる。
ノックをして社長室に入った。
実は、ジェームズはうちの会社の社長だ。
「どうしたんだい、晴?」
とジェームズは急に来た私に驚いた。
「私、日本で又活動がしたいの。
もう、日本に戻りたい。
勝手なことを言っているのは分かっているけど
それでも、日本で活動したいの!」
と思い切って言った。
「もう、アメリカで活動しなくていいのか?」
と聞かれた。
「はい、その覚悟で今日は言いました。」
「それでもダメだ。」
「じゃあ、どうしたら日本に帰れますか?」
私は必死だった。
チャンスは今しかないと思っていたから。
「日本に帰れても、日本で女優として活動できなくても?」
と聞かれた。
私にとって、日本の芸能界は大切な場所。
あのときの私を救ってくれた居場所。
あそこに戻れないとなると
他に居場所がなくなる。
私が自分を出せたのも日本で女優として生きてこられたから。
今は、社会人で
自分で稼いで暮らして行かなきゃいけない。
女優という仕事以外でお金を稼ぐことが考えられない。