片腕のピアニスト
当然期待もされた。
習い事も沢山した。
習字、武道、体操、ピアノ。
まだ純粋だったころの子どもの俺は、両親に言われるがまま。
我武者羅にただ目の前の事を頑張った。
でも、大きくなるにつれて、しだいに嫌悪感を感じるようになった。
俺は、誰の為にこんなに頑張っているのか。
なんでこんな事してるのか。
急にわからなくなった。
今までピカピカに光り輝いていたレールの上から、何者かのかの手によって闇に突き落とされた気分だった。