親指姫な彼女と普通の俺
「リモコンはここを押すとテレビが見れるよ もう一回押すと消えるし」

「す すみませんでした」

「いいよいいよ 遅くなってごめんな」

「い いえ あの… あの箱は何だったんですか?」

「ご飯の後のお楽しみだ」

楽しそうな様子に
何なのか気になってソワソワしてくる

「きっ 気になります…!」

「ははは 楽しみにしてて あ もうこんな時間か 今日は炊き込み御飯にするかな」

「わぁ!楽しみがたくさんです!」

「ははは 腕が鳴るなぁ」


その夜 夕食を食べて
満足な表情を浮かべるシュシュはお腹をポンポンと叩いた

「タキコミゴハンおいしかったです!」

「そいつはよかった あれくらいのサイズでよかった?」

「はい!オニギリにしてもらってよかったです」

喜ぶ姿に顔がほころぶ

「なら よかった あ、まだお腹余裕ある?」

「え?なぜですか?」

「いいからいいから どう?」

「うーん そうですね あとブドウ10個くらいは…」

(意外と食いしん坊なのかな )

太陽はがさかざと冷蔵庫から取り出してきた
きょとんとして、それを見つめている

「あの~…?」

じゃーんと言いながら取り出したのは
小さな小さなフルーツケーキ

「わぁ!! 綺麗!」

ケーキの前に座り込んでまじまじと見つめる
輝いた瞳は喜びを物語っていた

「シュシュが家に来てくれた記念をお祝いします」

「え…?」

「シュシュとこうやって会えたのも何かの縁なわけだし、あと生まれてきてくれたことに感謝して」

「これを…私のお祝いに?」

太陽はテーブルに肘をついてゆっくり
近づいた

「もちろんだろ これからよろしく頼む シュシュ」

その笑顔に顔が熱くなるのを感じて
俯いた

「あっあり ありがとうございます!」

顔をあげれば、そこには太陽の見たかったあの笑顔だった

「私の食べやすいサイズですね!」

「この方がいいかなと思って 色々誤解されたっぽいけど」

「え!何があったのですか!」

「まぁまぁ そんなことより食べようか」

「うう…気になる」









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