親指姫な彼女と普通の俺
すでに授業の始まった教室に、こっそりと入り込む

(二度寝してしまったとは… )

一番後ろの席に座ると、隣から明るい短めの茶髪でメガネを掛けた青年から
呆れられたように声をかけられた

「ったく、てめぇは 大学入って何回目の遅刻だよ 太陽」

太陽と呼ばれた青年は笑い返した

「布団が俺を離してくれなくてさ~ 妖怪寝坊助に取り憑かれたみたい」

「んなもんいるか アホ」

メガネの青年が溜め息をつく

「ねぇ、海斗って寝坊しないよね。妖怪いないの」

海斗と呼ばれたメガネの青年は、はぁ?と言った

「なんでも妖怪のせいにしてやるな!だいたい自分の責任だろうがよ 妖怪に謝れ」

「夢がないなぁ 海斗には」

「うるせぇ 俺は常識人だ!」















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