親指姫な彼女と普通の俺
その日は3人で夕食をという話になり、
海斗と太陽はスーパーへ買い物へ出ていた

エコバックには野菜やら豆腐やらが入って
大きく膨らんでいた

帰り道はいつもの自動販売機や電灯がある道
薄暗いためかチカチカと明かりがつき始めた

「さて 太陽君よ」

「ほい 海斗君」

袋を肩にかけ直して
キョロキョロと辺りを見ながら言う

「この辺だろうが その変なちびジジイに会ったのは」

「うん まぁそうだな」

揃った足音はアパートを目指して進んでゆく

「見あたらんな くそ やっぱ激レアなのか 時間をかけるしかなさそうだ」

「そんなかかるかな~ 向こうから来てくれるかもよ?」

「おいおい そんなんだったらいいけどよ まぁ探すぞよ」

2人がアパートの階段を登っていくと
玄関前に何やら黒いものが落ちている
それはゴミ袋のようにも見えた

「ぁんだぁ? 人の家の前にゴミを放置しやがるとは」

「ありゃー」

2人が近づくと
それは動いていた
顔を互いに合わせて固まる

くるりとそれの向きがこちらを向く

「あ 種のお兄さんじゃ!」

「あ!おじいちゃん!よく家がわかったね」

それはあの老人だった
ぴょこぴょこ跳ね回って

「いやぁ 妖精レーダーが反応して、妖精生まれたのわかったじゃ! わし妖精だしわかるよ家くらい!」

「え!おじいちゃんも妖精なの!だってさ海斗!  …? 海斗?」

海斗が立ったまま気を失っているのは言うまでもない
 








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