親指姫な彼女と普通の俺
大学のラウンジは人が大勢集まっている

太陽と海斗は、コーヒーを飲みながら
ソファーでくつろいでいた

「あーーーっ だるかった今日の授業…
俺もお前みたいに遅刻してやろうか」

じろりと太陽を見る

「海斗、見かけによらずまじめだもんね」

「あぁ? てめぇは見かけによらず不真面目で、意味不明で、チャランポランで、空想大好き野郎じゃねぇかよ」

海斗から黒いオーラが湧き上がる
太陽はカラカラと笑った

「俺っていい感じの男だな~」

「何がじゃ!!」

溜め息をついて、コーヒーを一口飲む

「お前、あの空想なんていい加減やめたよな?」

コーヒーをストローで飲んで答える

「え?だからいるって妖精」

「うわ… でたよ お前な、いい歳してまだそんなこと言ってんのか?」

子供のように大きく頷いた

「いるって思わないと、会えないって
まぁそのうち会えるさー」

「お前のネバーランド的思考ってマジでどうにかならんか…? 
俺の命のプラモデルにクッキーぶっ刺しとくの止めてくれないかね…!?」

海斗の眉間のしわとは反対に
太陽はにっこり笑った

「いや~ああゆうところに刺しといたらくるかなーって でももうせんよー ごめんな」

「ったく… まぁいいけどよ
何にせよそんな空想してないで青春しろよ」

首を傾げて

「青春?」

「おうよ 例えばー… 彼女作るとか?」

間髪入れずに

「興味ない」

「はやっ!!」

「それなら俺、妖精の国行くわ」

なぜか瞳を輝かせる親友に
海斗は頭を抱えた

「だめだコイツ 早くなんとかしねぇと…」

そんな親友の思いをよそに、太陽はのんきなあくびを一つした














< 4 / 35 >

この作品をシェア

pagetop