鬼と花
───2年後───
斬鬼は愛刀『慚愧湖月(ざんきこげつ)』を持ち、
赤子は少女になり、世界を癒すという使命と共に、
時を同じくして、旅に出ることになった。
「呪術師。世話になったな。」
「あなたの旅に神のご加護があらん事を。」
「フッ...皮肉だな。」
俺は刀を担いで歩き出した。
「それでは行ってきます!お婆様!お父様!お母様!」
「気を付けてね」
「元気にやるんだよ」
「変な人に付いていっちゃ駄目だからね」
「お金は考えて使うんだよ」
「それからそれから...」
「も〜皆心配しすぎだって!私もう12歳だよ?修行なんだからしかたないじゃん。それに...」
少女は少し言葉を切ってから
「私は『使命』を果たさないと。せっかく神様に授かった力なのに。
修行してもっと使えるようにならないと神様に怒られちゃうよ。」
少女は口をすぼませながら笑った。
「ではでは、今度こそ行ってきます!」
少女は元気よく駆け出した。