鬼と花
出会う
───2ヶ月後───
「っ...!千影!!」
少女──名を鼓(つづみ)と言う。
彼女は魔物と戦っていた。
彼女の能力は『癒し』と『再生』。
他の呪術師は、呪符があれば力を使う事ができる。
しかし、彼女にはその能力は無い。
代わりに只人には見えないもの....簡単にに言ってしまえば、妖精や神、ある時は妖怪や悪魔などに力を借りて戦う事ができる。
彼女は『人成らざるもの』に愛されている。
「鼓よ。呼んだか?」
「呼んだ呼んだ。また捕獲宜しく!」
「承知した。ならば祝詞を唱えろ。」
「はーい。」
『千影』彼の者もまた人成らざるもの。
姿は黒い獅子。眷属は闇。
その名の通り、全てのモノのあらゆる『影』を司る。
「我と契約せし者、汝の名は千影。その名が示すまま、我に立ちはだかる異型を捕らえよ。」
鼓から口上が紡がれる。それに呼応するように千影の体が変化する。爪や牙がより鋭くなる。目に狩猟の本能が宿る。
「さて...今宵も遊ぼうかのう...」
千影は影に身を溶かし、素早く魔物の動きを封じた。
「よし!今のうちに...日向!!」
鼓が呼び出したのは、千影と対をなす存在。神々しい毛並みの白豹だった。
「つづみぃ...私眠いよ...」
「はい、文句いわない!浄化すれば終わるから!」
「しょーがないなー...」
「やる気出してよ...」
日向はいつもマイペース。けれど、今日は特にそれが際立っていた。
「...!!
日向!!お主早うせぬか!」
普段ならこの言い合いの間柄も千影がちゃんと捕まえてくれている。
しかし、今日の魔物はいつもとは違うようだった。
「この儂から逃れられる奴が居るとは...
くっ...!」
「千影!!」
鼓が叫ぶよりも早く、魔物が千影の手をすり抜け、鼓に襲いかかって来た。
彼女には呪符が使えない。よって今の彼女は丸腰だ。
「しまっ...!」
日向も走るが、一足届かない。
魔物は鼓の目の前に迫っていた。
「っ...!千影!!」
少女──名を鼓(つづみ)と言う。
彼女は魔物と戦っていた。
彼女の能力は『癒し』と『再生』。
他の呪術師は、呪符があれば力を使う事ができる。
しかし、彼女にはその能力は無い。
代わりに只人には見えないもの....簡単にに言ってしまえば、妖精や神、ある時は妖怪や悪魔などに力を借りて戦う事ができる。
彼女は『人成らざるもの』に愛されている。
「鼓よ。呼んだか?」
「呼んだ呼んだ。また捕獲宜しく!」
「承知した。ならば祝詞を唱えろ。」
「はーい。」
『千影』彼の者もまた人成らざるもの。
姿は黒い獅子。眷属は闇。
その名の通り、全てのモノのあらゆる『影』を司る。
「我と契約せし者、汝の名は千影。その名が示すまま、我に立ちはだかる異型を捕らえよ。」
鼓から口上が紡がれる。それに呼応するように千影の体が変化する。爪や牙がより鋭くなる。目に狩猟の本能が宿る。
「さて...今宵も遊ぼうかのう...」
千影は影に身を溶かし、素早く魔物の動きを封じた。
「よし!今のうちに...日向!!」
鼓が呼び出したのは、千影と対をなす存在。神々しい毛並みの白豹だった。
「つづみぃ...私眠いよ...」
「はい、文句いわない!浄化すれば終わるから!」
「しょーがないなー...」
「やる気出してよ...」
日向はいつもマイペース。けれど、今日は特にそれが際立っていた。
「...!!
日向!!お主早うせぬか!」
普段ならこの言い合いの間柄も千影がちゃんと捕まえてくれている。
しかし、今日の魔物はいつもとは違うようだった。
「この儂から逃れられる奴が居るとは...
くっ...!」
「千影!!」
鼓が叫ぶよりも早く、魔物が千影の手をすり抜け、鼓に襲いかかって来た。
彼女には呪符が使えない。よって今の彼女は丸腰だ。
「しまっ...!」
日向も走るが、一足届かない。
魔物は鼓の目の前に迫っていた。